・コミュニティの最大の財産は「仲間」
質の高い「場」づくりには、以下の5つのポイントがあることを前回のコラムでお伝えしました。
1 学び
2 仲間
3 ロールモデル
4 目標設定
5 交流
「1 学び」の紹介を通して、コミュニティならではのアクティブラーニングができることに、大きな魅力を感じていただけたのではないでしょうか。
*前回のコラム
今回は「2 仲間」と「3 ロールモデル」についてのポイントをお話ししていきましょう。
オンラインコミュニティは、同じ講座を受講した人たちで構成されているため、講座を終える頃には共通言語で話せるようになっていることが大きなメリットです。
お互いの価値観を認め合い、信頼関係を構築しやすい間柄になれるでしょう。
・「2 仲間」として「自己開示」が距離を縮めるカギ
コミュニティで安心・安全な場をつくるために、わたしたちは、受講生に入会してもらったあと4~6名のチームをつくっています。
4~6名が、多すぎず少なすぎず一番いいバランスなのです。
このチームで行う最初のワークは、「自己開示」。
どうしてそんなことをするのだろう? と思うかもしれませんね。
でもじつは、この「自己開示」がコミュニティやチームをつくるうえでは欠かせないことなのです。
あなたも、ついSNSで何かを発信するときは「ちょっと格好いい自分」を見せようとしていませんか?
「話を少しずつ盛るクセ」を持っている人は案外多いものです。
でも、これが習慣化してしまっていると、最初はコミュニティ内でもいいところを見せようとしてしまい、距離が縮まりにくいでしょう。
その状態から抜け出し、人との親密度を上げるために有効な方法が、「自己開示」なのです。
「そうはいっても自己開示って、いったい何を話せばいいの?」
と思うかもしれませんね。
自己開示をするためのポイントは、次の3つです。
1.失敗談を披露する
2.過去の悔しかったこと、嬉しかったことを共有する
3.夢を語る
この3つを共有する時間を、はじめにたっぷりとることが大切です。3つについて話すことで、初対面同士の人たちでもお互いに親近感を覚え、気づけば相手のことを応援したくなっているはずです。
新しい仲間が入ってきたときも、セレモニーとしてぜひ取り入れてみてくださいね。
そして、見逃せないのがニックネームで呼び合うことで生まれる親近感です。
自己紹介のときに、ニックネームで呼び合うルールを加えてみてください。どんな人とも距離感がグンと縮まるので、おすすめです。
・「3 ロールモデル」を参考にしましょう
ロールモデルとは、「ちょっと先を行く目標となる先輩」の行動や考え方のことです。
ロールモデルがあると、未来がイメージしやすいでしょう。それを真似ることは、自分は何をどのように進めていったらいいのかという指針につながります。
具体的には、コミュニティに入会したあと、いろいろな経験をしている先輩たちに
「何をすればいいのか?」
「どのようなコミュニケーションをとったらいいのか?」
「集客の流れや会員制度をどのようにつくったのか?」
「具体的にどんな計画をつくり、どのように行動したのか?」
といった話をシェアしてもらうといいですね。
シェアしてもらうとき、わたしたちは、成功事例だけでなく失敗事例も話してもらうことを大切にしています。
失敗事例も安心してシェアできる「場」であることこそ、コミュニティの魅力なのです。
成長していく過程では、みなさんほとんど同じところでつまずくもの。
でも、そのつまずきやすいポイントを事前に聞けたら、あらかじめ準備もできますよね。
失敗事例をシェアしてもらえることで、
「失敗を怖れず挑戦しよう」
と思ったり、
「失敗したからこそ学べることがあるのだ」
と勇気づけられたりもするでしょう。
また、主催者から話してもなかなか伝わりにくいポイントも、同じ立場の身近な先輩や仲間から伝えてもらうと、臨場感があり、納得できる場合もあります。
成功事例も失敗事例も、シェアすることでコミュニティ全員の学びとなり、成長につながるのです。ですから、どんどん話してしてもらいましょう。
それこそが、安心安全の場になるコミュニティをつくる要素になります。
・ロールモデルとなる人に講座のサポーターに入ってもらいましょう
講座段階から、コミュニティメンバーにサポーターとして関わってもらうことで、「講座後のコミュニティに入るよさが自然とまわりに伝わる」というメリットがあります。
このしくみはサポーター自身の学びにもなるようで、好評をいただいています。
ですから、ぜひ呼びかけてみてください。
また、コミュニティが大きくなってくると、ルールを守れない人も出てくるものです。そのとき、
「○○してはいけません」
と禁止事項として伝えることは、できるだけ避けましょう。
それよりも、
「○○するとうまくいきますよ」
というように、先輩の事例を本人から伝えてもらうほうが効果的です。
同じことを伝えるにも、うまくいく方法として伝えることで、運営がスムーズになるのです。これもコミュニティならではのよさですね。
応援し合える仲間がいると、ひとりの経験がメンバー全員の経験値になり、コミュニティ全体でより大きく成長することができるようになります。
ぜひ、5つのポイントを押さえて、皆にとってより居心地いいコミュニティ、質の高い「場」を実現していきましょう。
Comments