・駆け出しの頃の運命的な出会い
わたしがいま取り組んでいるビジネスを語るうえで、忘れられないお客さまがいます。
今回はそのエピソードと、お客さまを通して得た気づきをお伝えしたいと思います。
ビジネスを始めた頃は、「モノ」を売りたくてメイクの仕事をしていました。
そんなある日、わたしはアトピーの症状のある女性のお客さまと出会ったのです。
その女性は、顔から血が出るほどのアトピーのために
「結婚もできない…。子どももできない…」
と悩んでいらっしゃいました。
そこで、わたしはとにかくお客さまと真剣に向き合い、肌を整えることに専念することにしました。
その結果、最終的にはメイクもできるほどによくなったのです。
そこで自信も得られるようになっていったのか、さらには、結婚してお子さんにも恵まれました。
当時から20年以上経ったいまも、お店に通い続けてくれているようです。
この経験を通して、
「自分はメイクやエステをやりたかったのではなく、人が変化する姿に伴走するのが楽しいんだ」
ということに気がつきました。
“お肌に悩んでいて、将来は結婚して子どもを産みたい。
でも、自分はこんな状態だから結婚できないだろう…”
そんな「わたしには無理」ということを、「できた!」に変えてあげればいい。
この経験をきっかけに、ビジネスというものが少しずつわかってきたように思います。
・商品を、「売る」のではなく「解決策」を提供する
ビジネスを始めた当初は、メイクやエステを「モノ」だとしか思っておらず、
「どのようにして売るか」
ということしか考えていませんでした。
でも、先ほどの女性と関わるなかで、
「お客さまの悩みを聴き、その人の理想の未来をつくるお手伝いをすることがビジネスなのだ」
ということがわかってからは、わたし自身のあり方が変わりました。
商品を売り込むのではなく、
「誰を、どうしてあげたいのか?」
ということが大切。
あくまでも商品は解決策をお伝えするものであり、商品を売りにいってはダメなのだと気づいたのです。
女性が人に顔を見せたくないと思うのは、本当に苦しいことでしょう。
それをなんとかしてあげたいという想いで真剣に取り組んだ結果、お客さまはメイクを当たり前のようにするようになり、ファッションも磨いて、どんどん笑顔になっていきました。
その姿を見たとき、「あ、これなんだ! 解決策を見せてあげること、一緒に関わっていくことがビジネスなんだ」と腑に落ちたのです。
この出来事を境に、「お客さまのお悩みをどうしたら解決できるだろう」と日々意識するようになりました。
・「お金を出してでもなりたい未来」を思い描けたとき、人はお客さまになる
いかにお客さまの悩みを見つけ、お客さまの理想の未来をつくるために解決するか。
お金は、それを解決できたときにいただけるものです。
お客さまに、どうなりたいのかを聴き、抱えている悩みを聴きます。
そして、絶対に叶えたいのであれば、全力でお手伝いします。
「絶対になりたい!」
と思う人はお金を出してくれるのです。
「お金がかかりますよ」
と言ったときに、
「お金がかかるなら、いいです」
という答えが返ってくるなら、それは「悩み」ではなく「願望」にすぎません。
「願望」と「悩み」はまったく別のもの。
お金を出してでも絶対に解決したいこと、つまり「悩み」がわかれば、ビジネスはうまくいくでしょう。
お金を出してでも変えたいということは、本当に悩みを解決して理想の未来に行きたいのだということです。
ここをしっかりと見つけられるかどうかが大切なのです。
お客さまに寄り添い、真剣に向き合わなければ、その人が
「お金を出してでも解決したい悩み」
「夜も眠れないくらいの悩み」
にはたどりつかないでしょう。
想いを引き出し、その人が本当に行きたい未来をこちらが見つけられてこそ、お客さまになっていただけるのだと、わたしは思っています。
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